2017年9月26日火曜日

安藤忠雄展

国立新美術館で開催される安藤忠雄展の内覧会に行ってきました。さすが顔の広い安藤さんだけあって、さまざまな分野から多くの人が駆けつけていて、会場は大混雑。ロビー空間、暑い。人混みをかき分け、ようやく一廻りしての感想。新美術館のあの巨大なスペースを建築コンテンツだけでよく埋めたなぁと感心させられました。展示されていた数多くの図面や模型も大変見ごたえがありました。これらは図録に収録されていないので、建築の専門家は現地に見に行くしかないですね。それから、図録の論考が浅田彰さん、っていうのもなかなかサプライズでした。展覧会タイトル「挑戦」の通り、まだまだこの先が楽しみな建築家です。

2017年8月21日月曜日

カザベラ・ジャパン誌連載「定石を打ち破る」

カザベラ・ジャパン誌874号が送られてきました。今回は「定石を打ち破る」と題した論考を書かせて頂きました。メインテーマは16世紀マニエリスムの建築です。個人的に、マニエリスムに漂う知的な印象は1980年代のポストモダニズムのおかげだと考えています。だって、マニエリスムの造形が知的で、その後のバロックの造形がそうでない、っていうのは歴史的に見ておかしいですから。そんなわけで、マニエリスムを語るのにはポストモダニズムが欠かせない。当然、論考の締めには建築家イソザキが出てくるのです。この記事のためにわざわざつくばセンタービルを再訪しました。学生自体に見たときの印象とはまた違って見えました。どう違ったかについては、カザベラ誌を御覧ください。

2017年7月1日土曜日

「イデアは永遠に」

『カザペラ・ジャパン』誌872号が出ました。わたしの連載《建築家はどのように世界を見つめたか》の第2回目は「イデアは永遠に」と題し、建築家業のもっとも象徴的な部分、すなわち、世界に秩序を与えることにフォーカスしました。語られるメイン・コンテンツはルネサンスあるいは古典主義になりますが、本質的な部分では近現代を読む材料にもなります。こうした時代のクロスリファレンスは建築史の面白さを伝えるのにかなり重要なはずなのに、専門性を意識する学者ほど手を出しにくいという実態もあります。本連載では、そんなリスクに果敢に挑んでみようと思っています。

2017年6月21日水曜日

『建築 未来への遺産』

東京大学出版会から『建築 未来への遺産』が送られてきました。これまで単行本化されてこなかった鈴木博之先生の論考を選りすぐり、あらためて世に問うべく出版企画が進められてきました。まことに僭越ながら私も解題を寄稿させていただきました。鈴木先生がさいごに尽力された東京駅丸の内駅舎のドーム屋根が、ひとつの鈴木ワールドを象徴するように表紙に輝き、たいへん感慨深いものがあります。収録されたテキストの端々に鈴木節がうかがえます。ぜひ多くの方に読んでいただきたいなと切に思います。

2017年5月26日金曜日

『移動者の中世 史料の機能、日本とヨーロッパ』が出ます

東大出版会の山本さんから『移動者の中世』が送られてきました。とてもきれいな表紙の本に仕上がっていてびっくりしました。このなかに、僕はヴェネツィア本島成立に関する小論を寄稿させていただきました。ヴェネツィア・ラグーナの水流が形づくったわずかな高台、ここが現在のヴェネツィア本島の取っ掛かりになりました。浅瀬を少しずつ埋め立てて高名な水都ができあがりました。人間のたゆまぬ努力の跡、実にすばらしいです。脱稿したのはもうずいぶん前になります。こうして形になって本当によかったなと思います。取りまとめ役の高橋さん、千葉さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

2017年4月21日金曜日

『CASABELLA JAPAN』870号に寄稿しました

イタリアには国際的な建築雑誌『CASABELLA』がありますが、なーんと、日本では、リーフレット『CASABELLA JAPAN』が特別に用意され、両方セットで販売されています。この日本版リーフレットが10周年を迎えたとのこと。そんなおめでたい節目の年に、このたび、〈建築家はどのように世界を見つめたか〉という連載記事を書かせていただくことになりました。第1回目は「誰がために建築はあるか」というタイトルで、とりわけ近年の建築や建築家を取り囲む状況にフォーカスし、現代的な建築事情を浮かび上がらせたつもりです。伝統誌CASABELLAをもり立てるべく、大きなパースペクティブのもとに建築の文化的・歴史的レビューが展開できればいいなと考えています。チャンスをくださった編集者の小巻哲さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

2016年12月10日土曜日

『建築史とは何か?』が出ます

まもなく中央公論美術出版から訳書『建築史とは何か?』が出ます。さきほど出版社より、書籍が届きました。なるべくリーズナブルな価格でという戦略もあり、コンパクトでハンディーなボリュームにまとまりました。原稿校正したとき以上に、紙面に高い密度を感じます。訳書オリジナルの表紙カバーには、いろいろと悩みましたが、フィレンツェ都市景観を採用しました。西洋建築の知的活動が旺盛に展開されるようになったルネサンス、その象徴的な都市であることはもちろん、やはり見た目にきれいです。ちなみにカバーを取ると本体の表紙は、ニューヨーク・マンハッタンの景観になっています。こちらは20世紀を象徴する都市と建築。フィレンツェからニューヨーク、このパースペクティヴが本書内容の幅の広さを示すんじゃないか、そんなメッセージを編集担当の鈴木さんと話して決めました。まぁ、わかる人にわかれば、というくらいの仕掛けです。
ようやく、というのが率直な感想です。プロジェクトに着手したのは、もう5年も前のアメリカ滞在中だったので。あの頃ちょうど1-2月は大雪で、外に出るのもかなりしんどかったから、自宅でせっせと翻訳に没頭していました。いまはとてもそんなことはできないので、ずいぶん貴重な時期だったんだなと懐かしく思い出されます。
訳書あとがきに書けなかったこと。この本は恩師が存命であったら、一番おもしろがってくれただろうなぁ、と強く思います。それが残念でなりません。