2019年12月25日水曜日

『日本建築思想史』台湾版

以前、磯崎新さんと出した『日本建築思想史』が、この度、台湾で翻訳出版されました。日本ではあまり入手できないのかもしれませんが、台湾版は、表紙装丁、収録する図版がオリジナルとはたいぶ変わっています。表紙には、磯崎さんの「旧大分県立図書館」と「空中都市」が魅力的に登場しています。収録図版も磯崎新さん自身の作品が増えたように思います。オリジナル版は磯崎さんに建築思想史の読み手としての役割を期待していたわけですが、台湾版では《建築大師》磯崎新により強くフォーカスしていることが読み取れます。デザインによる訴求も強く押し出されている書になっているように思いました。情報が国境を超えるときに、こうしたアレンジは大いに結構なことだと思います。台湾のみなさんにも広く読んでもらえる一冊になるといいなと思います。

2019年3月1日金曜日

講義@ブレシア大学

イタリア、ブレシア大学での研修もいよいよ大詰め。ラスト・ミッションは、Theory of Architectural Restoration and Conservationの講義。しかし、2日で10時間の講義というのは、なかなかにタフ。しゃべる方も大変だけれど聞く学生もさぞかし大変なのではと思いながら、なんとか完遂できました。講義後に、イランからの留学生が質問に来てくれました。イタリアでイランの学生と触れ合えるなんてなかなか不思議な縁ですよね。きっとこうして世界各地の知が少しずつ交換されていくのでしょうか。ブレシアは、古代ローマの遺産からムッソリーニ時代のファシズム建築までを日々の生活のなかに感じることのできる実に魅力的な場所でした。ロンゴバルドの芸術も見事で世界遺産にも指定されています。大学キャンパスがそういう場所にあること、実に贅沢だなと。一年間の滞在を受け入れていただいたブレシア大学DICATAMの先生方・スタッフの皆さんに心より御礼を申し上げたいと思います。