2024年12月20日金曜日

朝倉書店から『オックスフォード建築辞典』が出ました

 ずいぶん長い時間がかかりましたが、このたび『オックスフォード建築辞典』が刊行されました。鈴木博之先生監修でおわかりのとおり、先生の存命中にスタートしたプロジェクトでした。グローバルに古今の建築情報を集めた浩瀚なエンサイクロペディアですので、項目はメジャーからマイナーまで多岐にわたり、翻訳作業はなかなか一筋縄ではいかないミッションでした。それでも専門項目の翻訳は可能な限りもっとも詳しい方にお願いしました。鈴木先生のお声がけがなければけっして揃うことのなかった訳者布陣です。その後、いちばん重要な存在を欠いたこともあって、このプロジェクトは何度か頓挫しかけたのですが、それでもなんとか刊行までたどり着けたのは、訳者の皆さん、朝倉書店のがんばり、そして、中島さん、海老澤さんのおかげと言うほかありません。恩師、みなさまに感謝を申し上げたいと思います。個人で購入するのはやや躊躇われるお値段になっておりますので、図書館等で見つけたらぜひご利用いただけるとうれしいです。

2024年1月20日土曜日

新美の巨人

 テレビ東京の「新美の巨人」に作品解説者として出演しました。取り上げられた建築作品は、軽井沢の「石の教会」です。たまたま有機的建築の研究をかじっていたためにお声がけがあったのでした。「石の教会」が果たしていわゆる「有機的建築」なのかについては、いろいろな意見があると思うのですが、設計者のケンドリック・ケロッグが「有機的建築」として制作したのは事実です。ケロッグは「有機的建築」のスターであるフランク・ロイド・ライトに憧れがあったようですね。「石の教会」は単純なアーチの繰り返しではありますが、大きさと角度を少しずつ変えることによって全体に流れをつくっています。室内には緑や水が配されて、違う意味で「有機」的な味付けがなされています。ほんのチョイ役出演でしたが、大変良い経験をさせていただきました。