2016年5月6日金曜日

「建築思想図鑑」に「未来派」を寄稿しました

「建築思想図鑑」に「未来派」の解説を加えました。http://touron.aij.or.jp/2016/05/2131
建築家アントニオ・サンテリアの「新都市」も、すでに100年前のイメージになるんですね。あたりまえのことですが、20世紀のアヴァンギャルドもますます歴史的な重みを増していきます。近代建築史で未来派に触れる人もいるんだろうけれど、考えてみると、未来派の建築って、ほぼサンテリア一人の業績に集約されるんですよね。わずか一人の業績。しかもアンビルト。でも、やはり、かっこいい。ロボットアニメに出てきそうな基地っぽい造形でもあります。実はサンテリア以降にも未来派を名乗った建築家はいるにはいるんですが、かなり表現主義的な作風で、べたにファンタジー。冷たくてドライな機械主義と即物性によりながらも、いかにかっこよく見せられるか、これがサンテリア建築の生命線であったように思います。