2015年6月4日木曜日

藤森照信さん講演会

大学のレクチャーシリーズに藤森照信さんがいらっしゃいました。いつものように興味深い話題提供。楽しげな雰囲気のままあっという間に講演終了。しかし、これをもって、彼をお気楽な「エンタの神様」だと思ってはいけない。それでは術にはめられたってことになる。その足跡に、「野生の勘」が頼りになっていること、これが実に実に重いのだ。この「野生の勘」こそ、常に神秘のベールに包まれていて、なんだかよくわからないままに聞く人はひきこまれてゆく。と同時に、みなさんには真似できない(真似しないでください)、ってことが確実に密やかに言われているわけで・・・。むぅー、と今回もなるべく術にはまらないようにしていたのだけれど、けっこういろいろなことを考えさせられてしまった。それも結局のところ、ちがう術にかかった、ということなのか。

2015年5月1日金曜日

10+1ウェブサイト「研究室の現在」に寄稿しました

研究室の必読書を紹介する記事を書きました。
http://10plus1.jp/monthly/2015/05/issue-05.php
記事を書きながら思ったこと。研究室を巣立つ学生は、自分と同じように研究者になるわけではない。いや、ほとんどならない。必読書のチョイスにあたっては、この事実をどのように踏まえるかがポイントでした。アカデミズムの押しつけになりすぎるのは良くない。けれども、あまりに拙速な実用主義も問題。微妙なところです。たぶん、〈自分にとっての必読書〉であれば別なチョイスがあるんだろうと思いながら、一応、学生向けの記事をまとめました。
しかし、他の研究室の記事を読むと、同じ建築分野でもさまざまな方向性が見えておもしろいですね。なかには、学部生になかなかハードなものを読ませているんだなぁと思わせるものもあり。自分にとっては大いに励みになります。

2015年4月10日金曜日

安藤忠雄さんから御本をいただきました

『安藤忠雄の建築4』(TOTO出版)をいただきました。いつものようにメッセージ&スケッチ&手紙入りでした。手紙によれば、『日本建築思想史』を読んでいただいたとのこと。現代日本の建築シーンを論じるのに安藤さんが欠かせない建築家であることは言うまでもないことですが、自分にとっては恩師の盟友としても大きな存在です。力強い励ましの言葉もいただきました。この丁寧さと細かさが、安藤さんのすごさ。ありがとうございました。

2015年4月8日水曜日

「だれも知らない建築のはなし」試写会へ行ってきました

石山友美さんの制作したドキュメンタリー映像「だれも知らない建築のはなし」、試写の招待を頂いていたので、見に行ってきました。ビエンナーレでは日本館のピロティ・スペースで流れていた映像。昨夏ヴェネツィアでは滞在時間が短すぎて満足に見ることがかなわなかったので、今回の試写会にはなんとしてもと思っていました。
映像作品、実によかったです。ストーリーとしては、とくにポストモダニズムまでが面白かった。しかし、アイゼンマンがあんなにわかりやすく話す人だとは…。難解な理論家のイメージがあったので、いまさらに好感度アップ。ジェンクスのコメントもわかりやすくてよかった。コールハースはあいかわらず斜めな感じで○。
日本人建築家は、磯崎新、安藤忠雄、伊東豊雄、三名だけでしたが、それぞれの語りに三者それぞれの立場が透け見えました。ポストモダニズムを含め、今後きちんとした歴史的検証がなされていくことを予感させました。ちなみに福岡のデベロッパーの方のコメント、効果的でした。こういう企画では実に貴重。

2015年3月31日火曜日

『建築家とファシズム』レビューを書きました

『日伊文化研究』53号にジョルジョ・チゥッチ著『建築家とファシズム』のレビューを書きました。訳者の鹿野正樹さんを囲んだ出版記念パーティー、ヴェネツィア派の集まりで、陣内秀信先生に依頼された仕事です。ちなみに僕はミラノ派だそうで。本号の特集がちょうど「ファシズムと芸術」だから、まさにタイムリーでした。

2015年3月26日木曜日

『日本建築思想史』が出ました!

太田出版から『日本建築思想史』が送られてきました。磯崎新さんとの共著書です。早いもので企画開始から4年経ってしまいましたが、毎度毎度、ひとつの作業がこうして形になるとやはり感慨深いものです。帯には「磯崎新、初めて建築史を語る。」とあります。実に意味深。タイトルもなかなか挑戦的。磯崎さんや編集の柴山さんと良いコラボレーションができたように思います。当初は一般向けのやさしい内容を想定していましたが、磯崎さんの舌も絶好調で、ハイブローな趣になりました。本書の出版がひとつの区切りですが、磯崎さんによれば、違う内容でコラボがあるとかないとか。さて、どうなりますか。

2015年3月20日金曜日

戀水桜花さんが千葉県建築学生賞最優秀賞を受賞しました!

研究室4年の戀水桜花さんが千葉県建築学生賞(卒業設計コンクール)で最優秀賞をいただいたようです。https://ja-jp.facebook.com/arch.grad.prize
建築史研究室ではあるけれど、こうして建築の設計でも認められるというのは本当にうれしいことです。彼女のテーマは、人の生と死に関わる非常に重たいものでしたが、「深い思考」という点で研究室が掲げるヴィジョンにも近いものだったと思います。いやー、実にめでたい。